Friday



今日も雨
朝一番のお客様は
わたしにとっての 懐かしい人
一緒にお茶を飲んで 
玄関のドアを開けて
あら 雨が上がったのね 
そう彼女は言って
雨上がりの曇り空のはずなのに
眩しいほどの外の光

本当に正直な話
彼女のために この美容クリニックを開業したようなもの
いや 彼女のためではなくわたしのため
わたしが彼女ともう一度お茶を飲むため

美容で、若返りで 開業すれば
彼女はきっと来てくれるだろうな
そして目論見通り彼女は訪れて
わたしとこうしてお茶をする

そんな彼女も昔の彼女ではない
解っている 彼女も年を取った
わたしとは違う時間を過ごしてきた
しかし わたしが一緒にお茶をしたかったあの頃の彼女のことを
この人は 一番良く知っている

昔の彼女と昔のわたしのことを
まるで遠くに住む甥や姪の話をするように
二人で思い出しては語らう 
そうそう そうだったわね 
同じ話を飽きもせず
お茶とお花と音楽と
あの頃と同じように流れる静かな時間