Friday



夜の海も綺麗だった。
波のしぶきが白く割れて
粉々にガラスが砕け散るようで。
あたし、こういうの初めて見た、という彼女の、
不思議そうな瞳。

記すことで、
色あせたり砂のように、細かく崩れてしまいそうな気がして
心の奥に取ってあった記憶
それがなぜか今は、
取り出しても壊れない
これもまた、年を取ったからなのだろうか?

時間との、駆け足。
生きることを、急ぐ
日が暮れて、山が暗くなる前に
灯りのある家を見つけて、
辿り着きたいと祈る。